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以前、下記リンクで書いた通り、
私は、(というか弊社は)よく似た特許を複数出願しています。
当然、有効な権利を増やしたいからです。
当然、特許法39条(ダブルパテントの禁止)とのせめぎあいになります。
普通なら、あまり気にしなくても良い特許法39条で拒絶される可能性が増えます。
でも、デメリットだけではありません。
メリットもあります
似たような特許出願を異なった審査官が審査しますので、私の手元には、よく似た特許出願に対する異なった審査官の 審査結果が届くことになります。
つまり、そもそも案件がよく似ていますから審査官の個性がまるわかりになります。
そんな、意外なメリットがあります。
これって、スゴいですよ。
別の審査案件でも審査官の素の個性が分かっていますから、どちらの方向性の方が有利に展開できるか見当がつきます。
その上、私はこまめに特許庁に面接に行きますので、対面したときの印象も記録にに残しています。
ちょっとしたデータベースの出来上がりです。
なお、私以外にもこのような仕事を同僚も行っていて、情報交換をしていますので、死角がドンドン減っていきます。
では、早速、審査官の困った行動のご紹介
ご紹介にあたり、審査官を個人攻撃するのではなく、行動に焦点を当てたいと思います。
困った行動をしてくれる審査官も、一方で、ありがたい行動をしてくれることもあります。
当然ですよね。
罪を憎んで人を憎まず。
さらにかっこよくいうならば、アドラー心理学でいうところの「不適切な行動」ってやつですかね。
特許明細書を読んでくれたのか確信を持てない拒絶理由
意識高い系の特許審査官との面接審査にも書きましたが、本当に特許明細書を読んでくれたのか確信を持てない審査官は困ります。
つまり、拒絶理由通知書に本願の「特許請求の範囲」のすべての構成について検討しているのが読み取れない場合です。
まぁ、ホントにこれは困ります。
単に見落としだと判断できる場合は、審査官に電話して、FAXを送って確認します。
それで、「確かにその構成に付いては看過(見落として)していました。意見書にその旨書いて提出して下さい」と返事の電話をもらい、特許査定になったこともあります。
一番困るのは、判断がつかない場合です。
私は、こんな時は迷わず面接審査に行くようにしています。
第一印象だけで、拒絶すると決めてかかる審査官
本来、特許の審査は、審査する出願の「特許請求の範囲」を理解し、
その理解の元に過去の文献(主に特許公開公報)を検索し、
同じものがあれば、新規性のなしの拒絶理由を発送し、
類似のものの組み合わせでその出願を実現できるならば進歩性なしの拒絶理由を発送します。
しかし、特許明細書をバックリ読んで、その印象のもとに拒絶すると決心してから審査する審査官がいます。
そのような審査官は「初めに結論ありき」ですから、補正しても、どんな意見をのべても覆りません。
さらに、初めの拒絶理由を解消しても、新しい拒絶理由を作ってもう一度、最初の拒絶理由を通知する審査官が居ます。
このような場合、私はサッサと審判に持ち込むことにしています。
だって、論理が一貫しない審査官と付き合うのは時間の無駄です。
地雷審査官
普段は普通の審査官なのですが、見えない部分に逆鱗があって、そこに触れると、猛然と感情的になる審査官がいます。
逆鱗は、「特許請求の範囲」の補正の方法だったり、
審査官の論理の誤りを指摘することだったりします。
逆鱗に触れると、その審査官は「拒絶」を深く決心しますので手段を選びません。
私は、このような審査官に3連続で「最初の拒絶理由」を喰らったことがあります。
特に、この審査官はこちらが応答してから半年後たたないと次のアクションがありませんので、8ヶ月✕3=24ヶ月、つまりまる2年の遅延を喰らいました。
さらに、遅延は延長中です。
なお、公正を期すために言っておきますが、8ヶ月のうちの2ヶ月はこちらの消費した時間です。
この審査官も、類似の別の案件では、審判に持ち込みました。
付き合ってられない!
ブレブレ審査官
似たような案件なのに、異なる拒絶理由を打つ審査官がいます。
A案件は39条(ダブルパテント)なのに、B案件は29条第2項(進歩性なし)と言う具合です。
この審査官はさらに始末の悪いことに同様の案件で一発特許査定をくれたりします。
複数の案件を並べてみても特許査定と拒絶理由の境目が全然見えません。
ホント困る!
コピペ審査官
こちらもよく似た特許出願を複数しているので仕方ないのですが、他の審査官の拒絶理由をコピペする審査官がいます。
自分ではほとんど考えていません。
この審査官もそもそもの主張がありませんので、「第一印象だけで、拒絶すると決めてかかる審査官」と同様あっちこっちの拒絶理由をコピペしますので、コロコロと拒絶理由が変わります。
こんな審査官は、拒絶理由はコピペしますが、特許査定というゴールに対するイメージは持ち合わせていませんので、始末が悪いです。
まとめ
そんな、こんなで、日々、色々あって飽きません。
困った審査官の行動だけ書いていると、悪い審査官だけだと思われてしまいますので、日を改めて、「まっとうな審査官」や、「ありがたい審査官」について書きたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。<(_ _)>
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