今回は特許的にちょっと込み入った話になります。
特許の審査官もいろいろな人がいます。
今回は、
で話題にした地雷審査官との戦いです。
「この喧嘩、買いてぇ~!」
先日、審判請求書を書きながら思いました。
(代理人を立てていない案件なので、自分で審判請求書を書いています。)
結局、喧嘩は買わず、大人の対応を行いました。
だって、感情が先に立つ審査官を敵に回すと出願人(弊社)全体が不利になりますから。
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簡単にこの地雷審査官を説明すると
何が地雷になるかわかりませんが、この審査官の気に食わないことを書いてしまうと、以降、蛇のように執念深く拒絶に持っていこうとします。
この審査官の嫌われて「最初の拒絶理由」を3回連続で受けて、結局拒絶査定にされたことがあります。
拒絶のために手段を選びません。
図面を根拠に補正したことを捕まえて、サポート要件違反だと拒絶理由を書きます。
さらに、同じ拒絶理由通知書に、引例の図面のみを根拠に進歩性なしという拒絶理由を書くという暴挙にでます。
さらに、反論する意見書でそこを指摘しても 無視する始末です。
相談した弁理士の先生(特許庁審査官のOB)も苦笑する始末です。
(OBの先生はその審査官の性格を熟知していたらしいですが、流石に元同僚の悪口を言うわけにはいかず、私には黙っていたようです)
もう、そんな自分の感情を満足させるために、才能を使わずに、産業の発達に使ってほしいです(特許法第1条)。
どんな喧嘩の売り方?
実は、類似の案件で、他の審査官から、指摘を受けてきた引例の組み合わせなのです。
あえて、例(あくまでも架空の例ですよ)を挙げるなら・・・、
引例1:2つ穴の風呂釜の給湯器の接続法(2つの穴は絶対一緒にできない理由あり)
引例2:1つ穴の風呂釜の給湯器の接続法
他の審査官は引例1に引例2の技術を組み合わせると本願発明になるという理由で拒絶理由を書いて来ました。
それに対し、本願は1つ穴であることを明示する補正をした上で、 引例1は2つの穴を絶対一緒にできない理由があるのだから、引例1に引例2を組み合わせるには「阻害要因」があると主張して、審査官に納得してもらって特許査定をもらっていました。
どうやら、地雷審査官はそのような拒絶理由があったことは把握していたようです。
(まとめ審査の制度の対象として審査してもらっていましたから、当然です。)
そこで、何をしてきたかというと、拒絶理由に姑息な細工をしてきたのです。
引例1:1つ穴の風呂釜の給湯器の接続法
引例2(周知な技術): 2つ穴の風呂釜の給湯器の接続法(2つの穴は絶対一緒にできない理由あり)
という書き方です(順序をひっくり返してきたのです)。
拒絶理由通知書の発送を受けたときに私はピンときました。
これは何か画策している!
この案件は代理人を立てていませんが、怪しいと思った私は、顧問である先程の特許庁審査官のOBの弁理士の先生に相談しました。
そうすると、「引例の順序を入れ替えたからと言って阻害要因には変わりないですから、大丈夫ですよ」という返事です。
そのコトバを信じて今までと同じ対処を行いました。
なのに、 拒絶査定を喰らいました。
「周知技術が適用されるものは引用文献1に記載された発明であり、引用文献2の従来技術は単に周知技術を示すために例示したにすぎないから阻害要因とはなり得ず、したがって、出願人のこの主張は採用できない」
だそうです。
なんか屁理屈かつ後出し感満載です。
もう、喧嘩を売っているとしか思えません。
私は知っています。
この引用文献2の「2つ穴の風呂釜の給湯器の接続法」の技術が書かれた明細書は、この明細書しかないことを!
「周知の技術」なんかではなく、超レアな技術なんです。
だから、「周知ならば類似の引例を例示してよ」と言われればすぐに行き詰まります。
でも、それは売られた喧嘩を買うことになり、出願人(弊社)に何の利益もありません。
結果として
ぐっとこらえて、他の観点から補正を行い、審判請求書を書きました。
補正してしまった以上、この地雷審査官がもう一度確認し、(これを前置審査と言います)前置報告書を書きます。
この審査官がどんな対応をするか、また、アップしますね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。<(_ _)>
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