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今日は、”意識高い系”の弊害の話題です。
「ママ」事件
まだ、知財部に配属されて1年くらいの人に複雑な表情で質問を受けました。
「特許庁にママと呼ばれる審査官がいるんですか?」
「へっ??? どう言う意味?」
彼が指し示す画面(見慣れた拒絶理由通知書)に確かに「ママ」と書いてあります。
引用すると、
「引用文献1には、縛った部材143(ママ:審査官注「縛った部材146」の誤記と認められる。)~」
という書き方です。
私は、たまたま「校正」に使われる「原文のまま」と言う意味だと知っていましたのでそう返答しましたが、確かに知らなければなんのことだかわかりません。
質問者は、「てっきり特許庁にはママと呼ばれる人が居て、審査官に指示を与えているんだ」と思ったとボケていました。
確かにオモシロイんですけどね。
でも冷静に考えると、ママを取って、
「引用文献1には、縛った部材143(審査官注「縛った部材146」の誤記と認められる。)~」
って書いたほうが圧倒的にわかりやすくありません?
「ママ:」が理解を妨げています。
質問するためにボケる必要もありません。
どう考えても、「ママを知っているオレは偉い!」って言いたいだけにしか見えません。
イヤ~!意識高い系って素晴らしい!
トートロジー事件
これも同じく意識高い系審査官の拒絶理由通知です。
1.(簡潔性要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第3号に規定する要件を満たしていない。
「~~~~~~」と、トートロジー記載が、しかも、一定長を有する修飾句においてなされている。よって、請求項1の記載は簡潔でない。
トートロジーって何よ!!
前後の文章から、特許請求の範囲が簡潔でないからダメって言っているのはわかるけどね。
調べなきゃ!
だって、拒絶理由通知書に書かれていることの意味を見落とすのは致命的ですから。
ふ~ん。
特許請求の範囲は明瞭で簡潔なことを求められるけど、拒絶理由通知書には明瞭で簡潔なことは求められないのね?
意識高い系審査官って良いご身分ですこと。
ウラヤマシイです。
お願いです。
「オレ勉強している自慢」は家庭内だけでやって下さい。
仕事に持ち込まないで!迷惑です!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。<(_ _)>
面白かったら、読者になって頂いたり、ツイッターでフォローしていただけると嬉しいです。
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