「日曜劇場『下町ロケット』」ってオモシロイですよね。
私も毎週楽しみに見ています。
下町ロケットのページから引用
ドラマそのものも面白いですし、比較的「特許」を真面目に扱っているので、その観点からも面白いです。
とはいえ、誤解を招くような部分があったりもします。
今日はそのあたりをご説明したいと思います。
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以前のシーズンで
ガウディ編で、人工心臓弁の構造について、社員の引き抜きにより模倣されたことに気がついて自社特許をサヤマ製作所社長の椎名(小泉孝太郎)に指摘する際に公報を提示していました。
しかし、残念ながら提示した公報は特許公報ではなく、特許公開公報でした。
撮影時のチェックミスだと思いますが、他の部分が良かったので、残念。
何故かと言うと、特許公開公報は出願すれば必ず1年半後に発行されます。
それだけでは特許侵害を云うためには不足です。
でも特許公報が発行されるには審査官の審査をパスしなくてはなりません。
そうなって初めて権利の主張ができます。
この違いは大きい!
下の公報は、同じ案件の公開公報と特許公報です。(発明者は孫正義)
一番手っ取り早くわかる違いは、赤丸の部分(表題と番号)です。
公開公報は2000年以降は、西暦4桁ー連番6桁
特許公報は7桁の連番
です。
知らなければ違いはわからないのですが、知ってしまうと必ず目が行ってしまいます。
今シーズンでは
ギアゴースト社がケーマシナリー社に特許侵害を指摘されます。
その特許はギアゴースト社の内通者(なんと顧問弁護士)がケーマシナリー社に情報提供したため補正された内容です。⇒①
最終的に弁護士たちの悪だくみが発覚して、逆にケーマシナリー社側が不正競争防止法違反に問われることになりました。⇒②
①特許の補正について
特許の補正につては、出願時の明細書に書かれた内容の範囲で行えばOKです。
つまりそもそもの明細書に書いていないことを追加するのでなければOKなのです。
ケーマシナリー社の特許については、審査官がOKを出して特許になっているということでその点がクリアになっています。
特許法では補正の動機については問いませんので、補正そのものは適法なのです。
私もやっています。
下のリンクで、後発のメーカーの製品を含めることが可能なことに気がついて請求項2を追加しました。
【特許】異動でもないのに審査官の交代?どうして? - トクする!栄太郎のブログ
別に何ら問題のない出願人の権利です。
たとえ、補正事項そのものに新規性がなくても問題ありません。
決めるのは審査官です。
まあ、下町ロケットの場合、ケーマシナリー社の情報の入手の方法に問題があったんですけどね。
でも、コレは特許法の範疇ではありません。
②不正競争防止法の登場
これはリアルに感じました。
つまり、不正な方法で、ギアゴースト社の秘密をケーマシナリー社が入手したってことだと思います。
ドラマのナレーションでは淡々と語られていました。
語られてはいないのですが、
補正については特許法の観点で適法⇒つまり特許侵害自体は確定
なのです。
だけどもそれをひっくり返してギアゴースト社の勝ちに持っていったストーリーをリアルに感じました。
たぶん、不正競争防止法違反と特許侵害で相殺し合ったってことだと思います。
この相殺が可能かどうかは残念ながら私には検証できません。
まとめ
そんなこんなで、ゴチャゴチャ言いましたが、ドラマはドラマで楽しめれば良いと思います。
まぁ、こんな見方をする人もいるんだなぁってことで・・・。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。<(_ _)>
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