◎逓減定期保険と逓増定期保険
逓減とはだんだん減っていく
逓増とはだんだん増えていく
と言う意味です。
その名のとおり逓減定期保険は保険金額がだんだん減っていく保険です。
逆に逓増定期保険は保険金額がだんだん増えていく保険です。
1.逓減定期保険
一般家庭で家計を担っている人に定期保険を掛けるなら、逓減定期保険を掛けます。
なぜなら、年を経るに従って子供が独り立ちするのに必要な残りの補償額は減るからです。
また配偶者の余命も年を経るに従ってだんだん減っていくので必要補償額は減ります。
つまり、必要補償額はだんだん減ります。
なので、逓減定期保険はバッチリはまるはずです。
後日、必要補償額の計算方法はご説明します。(下記リンクを御覧ください)
生命保険の必要保障額の計算法(既婚者かつ大黒柱) - トクする!栄太郎のブログ
また、逓減定期保険は保険料的にメリットがあります。保険料が格安なのです。
つまり、若いときには保険金が大きいのですが、リスクが少ないので保険料はそんなに高くない。逆に、リスクが大きい年配になってからは保険金が小さいのです。
このように本来あるべき保険料(自然保険料といいます)が割と少ない状況で安定する保険なので、平均すれば(つまり通して支払う月払い保険料)が安くなります。
前回、説明しましたが、長期平準定期は、解約返戻金が発生します。しかし、逓減定期保険は長期の契約でも解約返戻金はほとんど発生しません。それは、上記の自然保険料が期間中通して安定しているという性質によります。この性質があるので、逓減定期保険は格安の保険料で加入できます。必要補償額さえまともに計算しておけば、メンテナンスフリーの保険となります。
2.逓増定期保険
(ここから先は、普通の人は無関係ですので、興味がなければ読まなくても良いです)
逓増定期保険は現在、売られているか否かは現役の保険の営業マンでないので分かりません。
私が現役のころは、逓増定期保険は会社(法人の社長)の節税のために売られていました。
「長期平準保険は解約返戻金が発生する」と以前お伝えしましたが、逓増定期保険は、さらに、保険金がドンドン増えていくので、もっと極端なことが発生します。
つまり、保険期間を通じて一定額の保険料を預かる必要があるため、高年齢/高額保険金の保険料も平均して預かる必要があります。
だから、保険金のスタートが3000万円だとしても、月払い保険料として5万円預かると言う法外な状況が生じます。
この初期の預かりすぎ状態を利用するため、中途解約の解約返戻率は場合によっては100%を超える可能性があります。
これがなぜ節税になるかと言うと、加入年齢と満了年齢によりますが、場合によっては税務上、保険料を全額損金として処理できるからです。つまり、税金を払わなくても良い。
ですから、保険料の分だけ法人の利益を圧縮することが出来ます。
そして、社長の勇退の時期に(解約返戻率のいいタイミングを見計らって)解約すると、保険料は戻ってきます。そのときは解約返戻金は資産計上(税金を払わなくてはなりません)ですが、社長の退職金として社長に支払えば、その分は丸々損金にできます。
そうです。法人が順調に利益を上げるならばこんな良い保険はありません。
しかし、これは、落とし穴があり、財務省の胸先三寸で税務処理が変わります。
だから、法人が加入するにはそれなりの覚悟が必要です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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