現時点で入らないほうが良い保険、もしくは入るなら熟慮を要する保険について解説します。
背景
低金利
現在の日本は低金利の時代です。
銀行にお金を預けてもほとんど利息はつかないどころか、ATMを有料で使えば完全に赤字です。
加えて、この傾向は一般庶民に限ったことではありません。
上のリンクで書いたように保険会社も運用が苦しく、商品によっては予定利率が1%を割り込んでいます。
日本の人口は確実に減少します
確実に人口が減るということは確実に日本の国力が弱まります。
さらに高齢化が追い打ちをかけます。
この高齢化を逆手に取って、高齢化に対応する技術やノウハウを先進諸国(当然高齢化の傾向があります)に輸出するレベルにならなくては、はっきり言って長期的には没落の方向です。
背景のまとめ
今後どのように推移するかの予測は私には手におえませんが、確実に見えているのは上記2点です。
金利については、
人口の減少→国力の衰退→他国通貨より円が弱くなる→輸入品が高くなる
という連鎖で金利が上がることが予測されますが、時期などはわかりません。
予測しているシンクタンクなどはあると思いますが、実際はどうなんでしょう?
ズバリと結論から
ズバリと結論から言うと、貯蓄性の保険商品で長期に渡る商品は避けたほうが良いです。
具体的に、「年金保険」、「養老保険」、「学資保険」、「終身保険」です。
このうち、「年金保険」、「養老保険」、「学資保険」は
保険の基本ロジックは養老保険です。
上記リンクを御覧ください。
ただ、上記リンクの例は予定利率5%前後を想定しているので、凄くよく見えます。
養老保険1000万円の満期金を得るのに支払総額856万円です。
予定利率1%を割り込むと、養老保険の正体は「貯金+定期保険」ですので、満期金は支払総額を割り込むかもしれません。
どうしても入るなら、支払総額を電卓で確認して下さい。
「年金保険」は
養老保険の満期金を年金方式で受取るオプションがついていると考えて下さい。
「学資保険」は
養老保険に、満期金を途中で受け取るオプションがついていると考えて下さい。
「終身保険」は
さっきのリンクをもう一度御覧ください。
終身保険では、貯蓄性という問題点もありますが、更に長期にわたる点が問題です。
この記事中の「背景まとめ」に書いたのですが、確かに今は低金利ですが、ずっと低金利が続くわけではありません。
「円」という通貨が国際的に弱くなった時点でインフレにならざるを得ません。
ということは、予定利率1%で加入した終身保険は、保険額的にも解約返戻金的にも、全くゴミになってしまう可能性があると言うことです。
確かに、ここ20年位は物価も安定していますので、忘れていますが、インフレは必ず起きます。
インフレになっても保険金額は変わりません。
インフレになっても予定利率は変わりません。
こうなると収入の一部を削って入った終身保険が無駄になります。
これが長期にわたる保険のリスクです。
対応策は?
カッコイイことは言えません。
「リスクを取って下さい」としか言えません。
「終身保険」については?
終身保険を捨ててすべて定期保険で賄うという、リスクテイクの方法もありますが、
「変額終身保険」
に入るという方法もあります。
「変額終身保険」とは、終身保険のロジックのままに、運用実績のリスクを契約者が負うというものです。
つまり、
解約返戻金については、
「運用がうまく行かなくなった場合、解約返戻金が0円になる可能性がありますが、そのリスクは契約者も負ってくださいね!」
「運用がうまく行った場合、解約返戻金は増えますよ!」
となり、保険金については、
「運用がうまく行かなくなった場合でも契約当時の保険金額はお約束します!」
「運用がうまく行った場合、保険金額は上乗せしますよ!」
っていう保険です。
さらに、変額保険には「債券型」と「株式型」があります。
どちらが良いかは契約者の考え方しだいです。
「債券型」は安定しています。
「株式型」は変動が多いです。
私が契約するなら「株式型」です。
過去に、変額終身保険をお売りしたお客さんは全員「株式型」で入ってもらいました。
なお、私がお売りした保険会社では、契約後、いつでも「債券型」と「株式型」の間で資金移動が可能です。
「養老保険」のグループでは
基本的に「お金を貯める」という目的の養老保険グループでは、残念ながら良い方法は思いつきません。
「変額終身保険」 と同様なロジックで、養老保険の変額保険に相当する「変額有期保険」という保険があります。
死亡保険金の最低額は契約時の保険金額で保証されていますが、満期金は保証されていませんので、リスクテイクする覚悟が必要です。
変額終身保険と同様に「債券型」と「株式型」があります。
割り切って投資信託、株式投資などにシフトする方法もあります。
しかし、株式投資は確実に勉強を必要とします。
まとめ
「高度成長期→バブル→それ以降現在まで」というスパンでは、欲張らなければリスクテイクする必要はなかったのですが、現在以降はどうしてもリスクテイクする必要があります。
この考え方のシフトは日本人にとって難しい課題です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。<(_ _)>
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